株式会社 ダンクソフト様

「トライアル就労」で、求めている人材の解像度がアップ

株式会社ダンクソフト/代表取締役 星野様

株式会社ダンクソフト/代表取締役 星野様
採用担当 酒井様
WEBデザイナー 島田様

スタッフの復職がきっかけで採用面でも功を奏しました

創立1983年、今年で43期を迎えるというIT業界の先駆け的企業であるダンクソフト社。銀行ATMにおける通信装置、光化学スモッグの注意報を発令する際の情報集約システム、大手飲料メーカーのオーダーシステム、ウェディングやイベントで使う花材の仕入れを担うシステムの開発、運用など、その業務内容は多岐にわたります。現在スタッフは21名。そのほとんどがテレワーク勤務です。その理由は、とある女性社員の復職が大いに影響していました。

株式会社ダンクソフト 星野代表

星野代表「ある女性社員が、結婚、出産を経て会社に戻ってくる。子育てもあるのだから自宅と会社を往復するのも大変です。それならば、一度Skypeを繋いでやってみようということになったのです。その際、画面の向こうに1歳くらいの小さなお子さんの姿が映りました。こちらから手を振ったら向こうからも手を振り返してくれる。こんな小さな子どもでもコミュニケーションが取れるなら、自分たちの仕事もリモートでできるのではないかと。そこから彼女の在宅勤務がスタートし、すぐに就業規則も書き換えました」

社員の皆さんが働きやすい労働環境の実現は、採用を有利に進める上でも大きなアドバンテージとなります。同社は現在、東京と徳島の2拠点を中心に、さまざまな分野に精通した優秀なスタッフが集い、それぞれの領域で活躍しています。

学びにチャレンジしている人が入ってくることで会社も活性化

最近の応募者は、自己投資を経て事前に勉強をしてくる人が多いと、星野代表はいいます。
星野代表「ダンクソフトに入りたいけれど、自分のスキルではまだまだ足りないからと、専門学校へ行き、別の会社に一度勤めて勉強してから、ピンポイントで当社を目指してきたという人もいました。また、スタッフが非常勤講師として働く国立の高等専門学校で、興味を持ってくれた学生が応募してきたり、地元で働きたいという学生が応募してきたり。今は徳島のオフィスに6人のスタッフが所属しています」
その後、新たな人材を探していた中で知ったのが成長産業人材雇用支援事業の存在。そこに至る経緯を採用担当の酒井さんが語ってくれました。

酒井さん「2名ほど人員を補充したいと考えていた矢先、たまたま事務局のご担当者から電話でご紹介がありました。その会話の中で初めて聞いたトライアル就労というしくみ。誰が来るのかわからないし、最初は直接雇用とは違うのではないかといった不安がありましたが、事務局の方が丁寧に対応してくれました」

株式会社ダンクソフト 酒井さん

事務局の方のお話では、同社は仕事内容が幅広く、どんな人材を望んでいるかを把握するため、詳細な話を聞く必要があったのだとか。そのため、事務局と星野代表や酒井さんとの間で幾度となく打ち合わせが重ねられました。

酒井さん「じっくり話を聞いていただいたおかげで、キャラクター的にも当社に合っている人を紹介いただけました。これまでにトライアル就労から正社員となった方が3名。最初に入った2名はすでに最前線で働いていて、もはやなくてはならない存在です」

とはいえ、トライアル期間中は、就労者のケアをどのように進めるかなど、受け入れる側として考えなければならなかったこともたくさんあったそうです。それまで個人に委ねられていたメンターとしての役割を、チーム全体で担うようになったこともその一つ。社員同士のコミュニケーションが今まで以上に増えるという相乗効果も得られたようです。

とにかくチャレンジしたほうがいい。企業と求職者、両者にとってありがたい制度だと思います

トライアル就労から正社員となった島田さんにもお話を伺いました。

株式会社ダンクソフト 島田さん

島田さん「我が家には老犬がいるので、完全在宅で働ける仕事を探していました。求人情報を見ていたところ、トライアル就労というワードを見つけたんです。このしくみを活用すれば、私でも正社員として働けるのではないか。そう考え、さっそくエントリーしました」

成長産業人材雇用支援事業という文言から、20代~30代の方が対象なのではと躊躇した島田さん。ところが、詳しく調べてみると年齢制限が設けられていない点に加え、東京都の支援事業であることで安心感を持てたといいます。

島田さん「当初はトライアル就労の2か月間は、少し長いかなと思っていたのですが。実は、以前の職場で働き始めてから急に違和感を覚えたんです。条件や勤務時間が聞いていた話と違い、途中からコロコロと変わったり、希望とは別の部署に配属されたりで……。私自身、次の職場ではできるだけ長く働きたいと思っていたので、この2か月が、会社にも自分のことをしっかり見ていただけ、自分に合う会社なのかを見極められるとてもいい機会になるのではと思いました」

コミュニケーション力に長けた島田さんは、打ち解けるまでにさほど時間はかかりませんでした。採用担当の酒井さんは、彼女への意思確認の際に「どうやったらそんなにコミュニケーションが上手にとれるんですか?」と逆に尋ねたほどだと笑います。一方、島田さんも、不思議なくらい会社の雰囲気に馴染めたと当時を振り返ります。

島田さん「トライアル就労は、私だけでなく、仕事を教えてくださる先輩方にもメリットがあると感じました。皆さん、私のために貴重な時間を割いてくださいます。就労者側は、そういう先輩方を見て、とかく会社に対して申し訳ないと思ってしまうものです。でも、この支援事業は、期間中のお給料を東京都が負担してくださいます。私自身も気兼ねなく安心して働くことができました」

トライアル就労の期間中に教わったことは、自身で取りまとめていたという島田さん。その時に作ったマニュアルは、今でも大切に保管し、時折見返しているそうです。そんな勤勉な島田さんに、これから正社員採用を目指す方々へのアドバイスをお聞きしてみました。

株式会社ダンクソフト 星野代表と島田さん

島田さん「この制度は利用しなければ損だと思います。当初は私も自分の年齢やキャリアに不安がありましたが、案ずるより産むが易し。2か月を経て、こうして正社員になれました」

星野代表「私たちの業界は、若いうちから経験を積んできた人や、デジタルネイティブ世代のほうがフィットするのではと思っていたのですが、このトライアル就労を活用して気づいたことがあります。それは想定よりも上の年代の方に来ていただくのも悪くはないということです。SEという職域には定年40歳説という考え方が根強くあります、しかし、これからの時代、企業は幅広い世代の人が活躍できる場を提供していかなきゃならない。意外と業界全体がまだそこに気づいていないのではないでしょうか」

そう語る星野代表と、それを傍らで聴いている酒井さん。お二人の笑顔からは、すでに島田さんがこの会社に欠かせない存在だということがうかがえました。

事例紹介/企業プロフィール
株式会社ダンクソフト
コーポレートサイト:https://www.dunksoft.com/
東京都千代田区神田須田町2丁目3−12 12KANDA301
事業内容:WEBサイトのコンサルティング・制作・構築、経営改善コンサルティング、システム開発、クラウドサービス導入・運用支援、他
従業員数:21名
取材撮影:2025年8月
※本事業を活用し、3名を正社員として採用