就活・転職コラム/成長産業への挑戦を成功に導くマインドセット

成長産業への挑戦を成功に導くマインドセット

転職市場が活発化し、未経験歓迎の求人が増加傾向にある近年、「成長産業」へのキャリアチェンジが増えています。でも、異なる業界へ飛び込むのはなかなか勇気がいるものです。その決断を成功へと導くために、ぜひポジティブなマインドセットを練りあげていきましょう。

社会人としての〝当たり前〟にもう一度向き合う

そもそもマインドセットとは、その人が培ってきた「無意識の思考や行動パターン」。過去に受けた教育、獲得してきた社会経験や成功体験などから形成される「仕事に対する信念や価値観」、言い方を変えれば「固定観念や思い込み」もこれに含まれます。

よく、企業の新人研修などで扱われるマインドセットには、以下のようなものがあります。

  • 時間や約束、モラル、コンプライアンスを守る。
  • 主体的に動き、自分の責任を果たす。
  • 自分を受け入れ、相手を尊重する。
  • 自ら積極的に他者とのコミュニケーションを図る。
  • 失敗を成長の機会と捉え、プロセスを振り返り、経験から学ぶ。

新人研修では、「遅刻をしない」、「報告・連絡・相談を心掛ける」、「何事も前向きに捉える」といった、社会人として当たり前の心構えを身に付けるとともに、物事をポジティブに考えることで発想を変化させたり、仕事への向き合い方に好影響を与えたりする可能性が語られます。

しかし、たいていの人はポジティブで成長型のマインドセットばかりでなく、「自分の能力や資質は簡単には変えられない」、「変化を嫌い、現状維持を志向する」、「他者からの評価をことさらに気にして失敗を恐れる」、「責任は負いたくない」など、硬直した停滞型のマインドセットを併せ持っています。

それまで働いてきた業界から別の業界へ移行した際、以前の職場とのギャップや、仕事に対する考え方の違いなどに戸惑うことがあるでしょう。今まで正しいと教わってきた方法論が、必ずしも新しい職場で通用するとは限りません。ましてや「成長産業」という新分野へ飛び込む場合には、「学ぶ姿勢」、「柔軟な思考」、「積極性」が求められます

近年、現状に甘んじず、新しい知識やスキルを果敢に学び取っていこうとする「リスキリング」が注目を浴びていますが、従来の知識やスキルをいったん見つめ直し、取捨選択を経て、不要なものは放棄する「アンラーニング」という考え方も必要です。まずは、ご自身の強みや弱みを知り、自分のマインドセットの傾向を把握しながら、あらためて社会人としての〝当たり前〟と向き合う機会も必要ではないでしょうか。

未経験分野に飛び込む際の注意点

「成長産業」への転身にチャレンジしたいと考える求職者の皆さんにお話を伺うと、その理由はさまざまです。現職に不満があり「とにかく環境を変えたい」といったものから、「まったく新しい分野で自分を試したい」、「将来性のある仕事に就きたい」、「成長産業という注目のフィールドで自分自身を成長させたい」というものまで、人によって思いはそれぞれのようです。

しかし、ネガティブな理由や漠然とした志望動機だけでは、採用担当者の心は動かせません

業界未経験者の場合は、仮に社会経験が豊富な中途採用者であっても、採用後は新卒採用と同等レベルの教育や育成を要します。たとえ「未経験者歓迎」を謳った求人でも、企業側はそれなりのコストを負うため、やる気や意気込みを持った人材を採用したいと考えるのはごく自然なことでしょう。新しい業界に興味を抱いた理由を自分なりに整理・言語化し、言葉として表現できるように準備をしておくことも重要です。

また、転職に対する強い意欲だけでなく、新たな分野で「自分は何をやりたいのか」、足りないスキルや経験値を補えるように「現在進行形で努力していること」や「資格取得のための勉強」など、具体的な行動が伴っていれば、その思いはより伝わりやすくなるかもしれません。

正社員採用はゴールじゃない! その先のビジョンを描くために

一般的に成長産業と呼ばれる企業は、スタッフの能力開発を後押しする教育・研修プログラムを手厚く整備しています。もちろん、誰かが教えてくれるのを待つばかりではなく、自ら積極的に学びを得ようとする成長型のマインドセットは、採用後の成長やスキルアップに直結する鍵となるため、事前に関心を持って下調べをしておく意識を持つことが大切です。

とはいえ、その分野で必要となる知識やスキルは、あくまでも自分がやりたいことを叶えるツール(武器)でしかありません。長期的なキャリア形成を考えた場合、正社員採用やスキルの習得がゴールではありません

例えば、ITエンジニアを目指していたAさんは、20代のうちに基本的なプログラミング言語を習得。コーダーとしてソースコードの作成業務にあたっていました。ところが、ウェブ開発の世界は日進月歩。技術的なアップデートが頻繁に要求されるため、一時は変化に対応できず、挫折しそうになったといいます。それでも、この分野でのモノづくりを諦めきれなかったAさんは、業務を通じて得た知見を生かしながらウェブディレクターに転身。バックエンドエンジニアとしての経験と持ち前のコミュニケーション能力で現場を差配し、ウェブコンテンツの開発リーダーへとキャリアップしました。

Aさんのように、懸命にスキルを磨き、エンジニアとして仕事に取り組んでいく中で、「新たな自分の可能性」に気づかされる場面も出てきます。これもまた、柔軟な思考で自身を高めていく成長型のマインドセットといえるでしょう。急速に市場を拡大させている成長産業では、常に新しい機会が生まれるため、その時々で自分に合った可能性を追求していくことができます

まだ、ゴールが見えていないかもしれません。しかし、成長産業は新しい分野だからこそ逆転できる余地や可能性を秘めています。そして、成長産業で成長するのは自分自身。どの産業がご自身にフィットするかを選び、その企業の将来性を見極め、教育体制や組織文化など、自分のキャリアビジョンに合致する環境かどうかを慎重に検討する必要があります。そして、まずは飛び込んでみること。未知の困難に、果敢に挑んでいく勇気を持つことが、転職を成功させる第一歩といえるでしょう。

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